その瞬间勇者は、少女の唇から小さな桃色のハートがいくつも飞び散るような错覚さえ覚えた。
「あ、ふぁぁ……」
ついに、勇者の膝は崩れた。へなりと、その场に座り込むように。
その表情は蕩然とし、キリとした瞳も今はとろんとふやけ口元には缓く惚けたように半开きになる。
「あはぁ?ちょっとやり过ぎちゃったかなぁ?ま、でもこの方が、キスしやすいからちょうどいいかなぁ?」
少女は小悪魔な笑みを浮かべ、惚け腰が砕けた勇者にゆっくりと近づく。
无防备な、その姿。
攻撃するには、仲间の仇をとるには、絶好の机会。
だが、勇者は动けない。
未だ投げキスの余韵が几度も脳内を駆け巡り、その姿を思い出す度に再び心は少女という底无し沼に引きずり込まれてしまう。
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そして、勇者は少女の接近を许してしまう。
いつの间にか、目の前で不敌に微笑む少女。几ばくかあったはずの身长差は、へたり込んだ时点で无くなった。
そっと、少女の両手が頬に添えられる。少女は首をかしげるように勇者の顔を覗き込むと、烂々と目を妖しく光らせながら嗫いた。
「暗杀者さまは私がキスしてあげただけでビクンって震えちゃってぇ…ちょっと口のなかに舌を入れてあげただけでメロメロになっちゃったの…?ふぅーってしてあげた时にはもう心から堕ちちゃっててびゅーって射精しちゃってぇ…?
ふふっ…?勇者さまはそうならないように顽张ってね?」
少女の唇が、勇者の唇に重なった。
ぎゅうと、押し付けるような、一方的な口付け。仅かな隙间から染み込むように少女の甘い唾液が口内に侵入する。
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教え込まれる柔らかな感触に、脳みそに染み入っていく甘やかな快楽。
卓越した技巧など、まだ少女は使っていない。
ただその唇の感触だけで、勇者の身体は今にも达してしまいそうなほど震えていた。
だが、この快楽すら、少女にとっては未だ序章に过ぎなかった。
ねとりと、少女に塞がれた勇者の唇を、何かが优しくなぞった。
それが少女の舌であると気付いたときには、既に勇者の结ばれた唇は淫魔の舌技に舐め蕩かされ、扉をノックするような舌の动きに容易くその门扉を开いていた。
「…んっ…?んふぅぅぅ…?」
ぬるりと忍び込んだ少女の舌は、侵入を阻もうとする勇者の舌に络み付き、その唾液を持って一瞬にして篭络した。
人间よりも少し长い舌は器用に勇者のそれを捕まえると、媚薬にも等しい唾液を余すことなく擦り付け、爱抚する。
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