押し出されるように吐き出された精液はズボンでは受け止めきれずボタボタと宿屋の床を汚し、部屋の中の淫靡で甘い空気にすえた青臭い香りを添える。
だが、それすらも二人の口からこぼれでる吐息に混じり、空気に溶け込むように消えていった。
「ぷはぁ……?…どうだったかなぁ勇者さま……?んー…んふふ?闻くまでも无かったみたい…?しっかり気持ちいいことを覚えられたみたいだねぇ…?」
クスクスと笑う少女の口元からは、未だ浓厚な桃色が漏れでている。
そして、それは勇者も同様だった。
恍惚として缓んだ口元。そこからは、少女と同じ吐息が溢れだしていた。
身体の中まで、ベッタリと少女の魅力がこびりつき、离れていても常に少女の快楽が心を苛む。
ただ呼吸をするだけで、もうとることの出来ないほど染み付いた少女の香りが勇者を魅了する。
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もはや勇者に逃れる术はない。
全身を蚀む魅惑の香りに、勇者はうっとりと酔いしれていた…。
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「ほう……セリーネか。勇者どもを骨抜きにしたようじゃの…。见事なものじゃ」
魔王が住まう城。その最上阶で、一际豪奢な椅子に腰かけた尊大な态度をした美女。燃えるように红い瞳に、同じ色をした髪。不逊な笑みを浮かべるその美貌とカリスマは、一目で彼女が生物としての格がひとつ上の存在なのだと知らしめる。
彼女こそが魔を统べるものであり、人类の、ひいては世界の敌とも言うべき存在。
そんな彼女に唯一刃が届きうる存在が、勇者だった。
だが、もはや、勇者たちにそれは叶わない。
「全员が贵様の身体に溺れ、毎日のように贵様を求める。もう奴らは侬には胜てん」
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クツクツと嗤う魔王。彼女が见据えるのは、今顷勇者の失踪で大騒ぎしているであろう人类の都。勇者という最强の剣が失われた今、人类を灭ぼすのは彼女にとってあまりにも简単な仕事だった。
もう邪魔をするものはいない。ついに、数えきれないほど长く続いた人类との戦いの歴史が、幕を闭じる。
それも、自らの胜利によって。
「ありがとうございますっ魔王さま?…でもぉ……まだ报告は终わっていませんよ?ちゃーんと教えて差し上げますよぉ…勇者さま达が、どうやって篭络されたのか…?」
「なっ…贵様まさか!」
少女の指が魔王に突き付けられる。
突然の行动に、油断していた魔王は反応できない。
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