その合同亲睦会で、奈良岛は柏原と二三话すことが出来、同时に连络先の交换をした。だからといって、奈良岛の方から连络を取る勇気も、また切っ挂けもなかったのだが。
しかし、その后も社内で柏原を目にする机会があるにつれ、二人は目が合えば会釈するくらいの仲にはなっていた。そして时々、こうして勤め先が同じ者同士の会话もする。それだけで、歳甲斐もなく奈良岛は心が浮き立つのだ。
确かに、柏原爱理はチャーミングである。なので、先のような噂が立つのも不思议ではない。逆に、恋人もいないと言われたら疑ってしまうくらいだ。
「でも、会计课主任も大変よね。社内の経理を一手に担っているんでしょう」
「まあ、これだけ大きな会社ですからね。株主総会等もありますし。监査法人や税理士事务所にもお世话になっています」
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「へえ、じゃあ、奈良岛君に讯けば、会社の経営状况が分かってしまう訳ね」
「まあ、僕が任されているのは、一部ですがね」
「そんな、主任职にある人が谦逊して……」
奈良岛は照れて返した。
「ところで、今度また他社间交流っていうのかな、パーティがあるんだけれども、奈良岛君も来ない?」
そう言って、柏原はA4サイズの用纸を差し出した。そこには、ここから远くないホテルの中ホールで、様々な业种の企业との社员同士の交流も目的としたパーティ开催の旨が记されている。
「海外にシェアを求めたいけれども、その手段がない所もあるでしょ。我が社を通じて海外への贩路拡大に繋げてもらおうというのが目的なんだけれども、でも若い人同士の交流も大歓迎だから、余り重役のおじ様达は来ないわ。ねえ、どう、奈良岛君も」
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「ええ、この日は特に予定はありませんし。出席しさせてもらいます」
「本当、よかった。じゃ、そう申し込んでおくわね」
そうして、彼と彼女は互いの部署へと别れた。
パーティの当日、午后六时、奈良岛は会场であるホテルのロビーにいた。别に谁かを待っていた訳ではないが、开场は六时半である。时间を溃してるだけだ。
ロビーは、大手のホテルだけあって、喧噪さえないものの、人々の出入りは激しかった。この时间にチェックアウトするものは少ないにしろ、今し方到着した客达がカウンターへと向かうのを何度も目にしていた。皆、フォーマルな服装で、外国人も多い。
何気なく眺めていたロビーの光景だったが、奈良岛はふと一组の男女に目を止めた。
それは、别にどうということのない、気にしなければ风景の一部として见过ごしてしまいそうな人物达であった。男は背の高い、白いものの混じった头髪を后ろへと抚でつけているスーツ姿の绅士然とした人物だ。そして女の方は同じくスーツ姿で、上着にタイトスカートである。二人とも一见亲子ほど年が离れているように见えるのに、まるで恋人同士のようにぴったりと寄り添っているのだ。无论、今日び歳の离れたカップル等珍しくもないが……。だが、よく见ると、二人は少し颚を引き、顔を下げていた。见られなくないのだろうか。いまから外出するとしても、男の方はサングラスまで挂けている。それが仮にブランドものだとはいえ、屋内で、そのスーツ姿にサングラスは、违和感を拭えない。
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