まぁ、いずれにせよ、危笃というのは嘘なのだけれど。
そんなこんなで、病院に着いたのはすでに日もとっぷりと暮れた时刻だった。
本来であれば、监视役の术者は24时间体制で监视を続けなければならない。
だが、千冬の场合、週1ペースで何かしらの妖怪に捕まって隔离措置を食らうという频度の高さに加え、これまでに问题が起こったことがないことから、特例が认められていた。
そもそも、この病院は八咫乌直営の病院であり、医者や看护师も退魔师としての资格を有している。
そういう意味では、例え俺がいなくても、千冬は24时间监视下に置かれていると言っても差し支えないのだ。
何度も通い惯れた长い廊下を进み、千冬の病室をノックする。
「俺だ。遅くなってすまん」
声をかけて、スライド式の扉を开けた。
「あ……よっちゃん」
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「お、おう………」
ベッドの上で上半身を起こしている千冬を、窓から射し込む月の光が照らし出していた。
艶やかな黒髪がキラキラと辉いており、その美しさに思わずどもってしまった。
「明かり……点けないのか?」
「うん。今日は月が绮丽だから」
「そうだな」
来る时は気付かなかったが、确かに窓から见上げる夜空に绮丽な満月が辉いていた。
丸椅子をベッドの脇に置いて、腰かけ、一绪に月を见上げる。
无言の时间が流れるが、これはこれで悪くないと思う。
(平和だな………)
そんな事を思っていると、不意に手を、千冬に握られた。
「え………」
惊いて千冬の顔を见た処で、その目と目が合う。
月并みな表现だが、まるで吸い込まれてしまいそうな绮丽な瞳だった。
どきん、と大きく鼓动が高鸣る。
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「いつも助けてくれてありがとう………」
「い、いや、良いんだ。俺は………」
ごくり、と生唾を饮み込む。
もう99回も口にしてきた言叶なのに、毎回紧张してしまう。
「俺は………お前が好きだ。だから、全然苦じゃない」
「ふふ。100回目、だね………」
「お、覚えてたのか?」
「うん」
「はは、99回もフラれてまだ谛めないなんて、马鹿だよな、ほんと……」
「そんな事ないよ。99回失败でも、100回目も失败とは限らないもの」
「っ、それって………お、OKって事……?」
「焦りすぎだよ、よっちゃん」
「お、おう………すまん」
「ね、よっちゃん」
「なんだ……?」
「ちゅー、しない?」
「えっ!?」
「それで决める。よっちゃんと付き合うか、どうか」
そう言って千冬は少しだけ唇を尖らせ、目を瞑る。
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