だが。
「……はぁ」
少年は、心底めんどくさそうに溜息を吐くばかり。
「なんだよ、俵っち。またラブレターか?週1ペースじゃん」
肩越しに下駄箱の中を覗いて、同级生がからかいの笑みを浮かべる。
「そうだな」
うんざりと颔きながら手纸を取り出し、裏を确认する。
そこには几帐面な字で、
【よっちゃんへ。千冬より?】
と认められていた。
「ったく………」
悪态を吐きながら、人の流れに逆らって歩き出す。
「俵っち。サボり?」
「ああ。适当によろしく」
「ほーい。8人目のお母さんが危笃って事にしとくわ」
ひらひらと気楽に手を振る同级生にこちらも手を挙げて応じて、学校の外へと向かう。
ラブレターと思しき手纸を贳いながら动揺することもなくこの不逊な态度。
さてはモテ男か、リア充め、大陆産スイカでも食べて爆発してしまえと世の诽りを受け、骂詈雑言を浴びせられ、清めの塩を撒かれてもおかしくない悪鬼罗刹の如き所业だが、さにあらず。
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(俺だって、これが本当にラブレターだったらどんなに嬉しいか………)
手纸の差出人である芦屋千冬。
长い黒髪も艶やかな、いかにも巫女服が似合いそうな大和抚子然とした风貌の美少女。
その姿を思い浮かべるだけで、鼓动が仅かに高鸣る。
幼驯染でもある彼女は、初恋の相手でもあり、これまで何度も何度も想いを伝えてきた相手でもある。
だが、その度にけんもほろろにあしらわれてきた。
その数、実に99回。
出会って、12年。约1月半に1回は告白してきた计算だ。
いい加减谛めろと周囲にも言われるが、そんなことは気にしていない。
いずれ絶対に、结ばれる运命だと确信しているから。
そんな相手からの手纸に心弾まない訳は、ただ一つ。
その内容が、爱の告白でないことを确信しているからだ。
校门を抜け、人通りも少なくなってきたところで、手纸を开封する。
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前略。よっちゃんへ。単刀直入に言うと、またやらかしちゃいまして。ぴえん通り越してぱおんだよぉ(流行りの言叶は积极的に使っていこうと思って?)。先方はよっちゃん一人で来いとの事。勿论、警察にも组织にも亲兄弟にも言うなって。亲兄弟いないんだけどねぇ。指定时间は今日の10时。学生は勉强しなきゃいけない时间なのに、无茶な事言うよねぇ。场所は四丁目の廃工场。うわ、ド定番。ということで、毎度の事で申し訳ないんだけど、时间过ぎると私杀されちゃうらしいので、ぱぱっとよろ?敬具
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