弓に番えている矢の他に、背に负う矢筒の中には矢が一本しかなかった。
「その2本、俺が叩き落とせば俺の胜ちだ」
「ほざくな。既に全身に5本の矢を突き立てられ、立っているのもやっとなのだろうが」
「へへっ。それでも、こんなピンチで一発逆転をかます。俺はそんな奴になりてぇんだよ」
(それが、ヒーローってもんだからな………)
「やれるものならやってみるがいい」
弓构えの姿势を取ってからゆっくりと呼吸を整え、打ち起こし、引き分け、会を待つ。
(くそっ、见えねぇ………)
刀をそれっぽく构えてはみるが、视界がぼやけ、凤の姿さえ渗んでくる。
両者の间を一阵の风が吹き抜けて。
凤が矢を放つ。
「やぁっ!!」
自分なりにタイミングを计って刀を振り下ろすも手応えはなく、腹に重い一撃を食らう。
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「ぐふっ………」
込み上げてきた热い块を吐き出すと、足元にぐしゃっと血溜まりが広がった。
「どうした。叩き落とすのではなかったか」
俺の発言を、ただのハッタリと判断したのだろう。
凤からは余裕さえ感じられた。
しかし、武人?凤は一切気を抜くことなく、すぐさま最后の矢を取り、番える。
そして、射法八节に则って构え、
「破ッ!」
裂帛の気合と共に最后の矢が放たれる。
「うおおっ!」
最后の力を振り绞って、剣を振り上げる。
ここが最后の胜负。
胜败を分ける天王山。
だが、刃先は虚しく空を斩るのみ。
胸に激痛が走る。
骨が断たれ、臓器が裂かれる感覚。
できる事ならば一生わかりたくなかった感覚だった。
冲撃のままに思わず数歩后ろに下がり、尚も一歩下がろうとした足が虚空を踏んでしまい、体势が崩れる。
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「くそ、が………」
思わず伸ばした手は、何も掴む事ができない。
全身に7本もの矢を突き立てられた状态で、崖から転落する。
(あぁ………结局、ヒーローになり损ねたな………)
落下している间、実际にはほんの数瞬の间しかないはずなのに。
様々な情景が思い浮かんだ。
矶に全身を打ち付ける数瞬前、最后に脳裏に思い浮かんだのは幼稚园の时の先生の笑顔だった。
ゲーム终了まで、あと30分―――。
残りプレイヤーは2名。
金色钥匙
子は亲を选ぶことができない。
しかし、本人の才能や努力に関わりなく、どんな亲の下に生まれてきたかで、その后の人生の大半が决まってしまう。
そんな考え方を、「スプーン阶级论」と言う。
裕福な家庭に生まれれば、「金のスプーン」。
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